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万華鏡の世界はタイリングでできています。
タイリングを一言で表すと、『何種類かの図形で平面を多い尽くしたもの』です。この際、隙間ができたり、図形同士が重なってはいけません。図形は、三角形や四角形といった抽象的なものだけでなく、動物や植物などモチーフでもタイリングすることができます。


エッシャーによるタイリング 出典:The Official M.C.Escher Website
そして、タイリングに魅了されたのが、MCエッシャーです。スペインのグラナダにあるアルハンブラ宮殿でムーア人のモザイク模様を見て強い関心を持ったエッシャーはそこから、平面を同じ図形で埋める方法(平面充填)を研究し、1958年に『平面の正則分割』を出版しました。
エッシャーはタイリングに没頭しましたが、さまざまな作品を作る過程で紙の上ではタイリングの部分的な姿しか表現できないことに不満を感じていました。それは、タイルの大きさが同じで、紙の大きさが有限だからです。そこでエッシャーは中心から周縁にかけて段階的にタイルの大きさを縮小することを考え付きます。
実はこれはユークリッド幾何学から非ユークリッド幾何学へと数学的な問題を伴っています。エッシャーは数学が好きでした。そして、どうしたらきれいにタイルの大きさを小さくできるのか、試行錯誤を長い間繰り返しました。 1954年にイギリスの数学者H.S.Mコクセターと知り合い、彼のアドバイスによって解決法を見出したのです。その努力の結晶が『円の極限I』です。

『円の極限T』 出典:Douglas Dunham, "Hyperbolic Art and the Poster Pattern", Math Awareness Month Essay, 2003.
その後、エッシャーは現在よく知られている『凸面と凹面』『物見の塔』『円の極限IV』『上昇と下降』『滝』などを創作しました。


エッシャーの作品 『円の極限V』『滝』出典:The Official M.C.Escher Website
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